地域の食文化の警鐘と継承を目的として企画が始まりました。
昔はどの家庭でも作られていた『のっぺ』や『押寿司』など、今では作るものから、買うものになりました。
独自調査(※1)では、1年間にのっぺを作る家庭は10%となり、幻の郷土料理となりつつあります。
郷土料理とは、その地域に根付いた素材を使い、その地域で広く伝承されるものです。
それも一朝一夕で根付いたものではなく、時間を掛けて定着し、地域の人たちにとって必要だったものです。
そう考えると、今現在忘れられかけている地域の食文化というのは、必要が無いものかもしれません。でも、後世に残したい・・・
そんな思いから企画がスタートした「景家御膳(かげいえごぜん)」。
試作を重ね、会議を重ね、2015年に商品発表となりました。
生産者の高齢化やコロナ禍、物価の高騰で、少しづつ内容の変更はありましたが、
これからも地域食材の周知と食文化の継承を目的として、私たちの想いをお料理に込めていきたいとおもいます。
※1)単身世帯を除く20代~50代の上越地域に暮らす家庭を対象
景家御膳の定義
景家御膳(かげいえごぜん)シリーズは、景家弁当(かげいえべんとう)を含めて、2段のお弁当箱を使用します。
法要でこのシリーズをご利用される場合、参列された方に持って帰っていただけるよう、使い捨ての容器を使っています。
お料理の内容は、「上越産品の使用」、「郷土料理の使用」。それと「献立の添付」となります。
季節により献立内容は変わりますが、「旬菜」、「前菜(酒肴)」、「お造り」、「揚物(蒸し物)」、「煮物」、「酢の物」、「食事」、「水菓子(甘未)」となります。
また、食品衛生上、夏季(気温が25℃以上)は、献立からお刺身を除いています。
景家御前の由来
戦国武将上杉謙信の重臣として活躍したとされる「柿崎和泉守景家」は、柿崎区猿毛の猿毛城が居城。
米山薬師を信仰し、その周辺地域を統治していました。武勇の誉れも高く、上杉四天王の1人とも伝えられています。
上越市の北東に位置する『頸北地域(けいほくちいき)』において柿崎景家はシンボル的存在であり、
故きを温ねて新しきを知るというテーマで地域食材や郷土料理を周知していく点ではピッタリのアイコンです。そうして、「景家(かげいえ)」を冠した御膳の企画開発がすすめられました。
また、上越市柿崎区周辺では「かげいえくん」というゆるキャラがいますが、関連性はございません。